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yoshino さん
yoshino さん
2017/02/01 12:54:32
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大正時代、若き洋画家たちはヨーロッパ美術に熱狂し、新しい表現を生み出すことに熱中した。
明治末から留学を果たしてヨーロッパの作品を実見した芸術家たちは、帰国後、その衝撃を日本の美術界に伝えた。たとえば、斎藤与里はセザンヌ、マティスについて文芸雑誌で紹介し、高村光太郎は、「緑色の太陽」を発表して芸術の自由を高らかにうたった。また、『早稲田文学』、『スバル』、『白樺』などの雑誌は、ルノワール、セザンヌ、ファン・ゴッホ、ロダンらを紹介し、芸術家たちを刺激した。
そして影響を受けた彼らは、これまでにない独自の芸術を模索しながら、作品制作と展覧会開催へと熱を帯びていく。
北山清太郎(1888-1945)は、そんな若き芸術家たち―岸田劉生、萬鉄五郎、木村荘八らの支援者であった。雑誌『現代の洋画』を刊行してヨーロッパ美術の情報をもたらし、岸田劉生らが参加したフュウザン会や草土社の展覧会の企画運営に携わった。
パリでファン・ゴッホらを支援した画材商ペール・タンギー(タンギーじいさん)になぞらえて、「ペール北山」と呼ばれた大正の美術を支えたおやじである。のちに美術からアニメーションの世界に足を踏み入れ、日本最初のアニメーションを手がけた一人となった。
本展では、大正期の美術界に功績を残した北山清太郎の仕事を追いながら、彼が紹介した印象派からポスト印象派、キュビスムまでのヨーロッパ絵画、それらに感化されて新しい表現を展開した日本の芸術家たちによる作品を同時に展示。絵画、彫刻、資料およそ200点で、今から約100 年前の美術「熱」をお伝えする。
[開催日]
2017/1/28~2017/3/12
9:30~17:00(入館は16:30まで)
月曜休館
[開催場所]
下関市立美術館
山口県下関市長府黒門東町1-1
[料金]
一般1,200円
大学生900円
[出品予定作品(一例)]
1. クロード・モネ《サルーテ運河》1908 年 ポーラ美術館蔵
2. ピエール= オーギュスト・ルノワール《泉による女》1914 年 大原美術館蔵
3. フィンセント・ファン・ゴッホ《馬鈴薯を食べる人びと》1885 年 個人蔵
4. エドモン= フランソワ・アマン= ジャン《髪》1912 年 大原美術館蔵
5. 岸田劉生《「第二回フュウザン会展覧会」会場装飾画》1913 年 公益財団法人 日動美術財団蔵
6. 萬鉄五郎《風船を持つ女》1913 年頃 岩手県立美術館蔵
7. 中村 彝《カルピスの包み紙のある静物》1923 年 茨城県近代美術館蔵
[ギャラリートーク(学芸員による展示解説)]
日時:1月28日(土)・3月4日(土)14:00~15:00
※ ご参加には当日の観覧受付が必要です。
会場:展示室
[記念講演会]
テーマ:「身振りとマティエール―日本における表現的絵画の台頭」
日時:2月18日(土)14:00~15:30
講師:北澤 憲昭(美術史家・美術評論家・女子美術大学教授)
会場:講堂
[アート・トーク2017「あなたの知らない都市・下関」]
下関の近代にかかわるさまざまなイメージを掘り起こし、都市の知られざる魅力を再発見します!〔下関市・東亜大学包括的連携協力事業〕
日時:2月5日(日)13:00~15:30
プログラム詳細:
(1) 基調講演「近代下関の都市的経験」 講師:礒永 和貴(東亜大学人間科学部国際交流学科准教授)
時間:13:00~14:00
(2) 対話集会「下関・近代都市としての魅力」 大学教員、文化行政実務担当、美術館学芸員と来場者によるトーク
時間:14:15~15:30
会場:講堂
[美術講座「魅力発見!近代洋画っておもしろい」]
学芸員が日本近代洋画についてわかりやすく語ります。
日時:3月5日(日)14:00~15:30
会場:講堂
[お問い合わせ先]
下関市立美術館
083-245-4131
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